HAKKO / ABEILA EDWORD GOUCHA

誠剛(ABELIA EDOWARD GOUCHA デザイナー)は僕と同い年で初めて出会ったのが19のとき、まだFOMEを始める前だった。その時から彼は他の人とは全く違うオーラを放っていたのを覚えている。学校も違えば共通の知り合いも多くはなかったのでFOMEを始める前は特に個人的な連絡をすることもなかった。FOMEが月一のポップアップでまだ実店舗を持っていなかった頃、誠剛から連絡が入り、ヤマというグラフィックをしている子とブランドABELIA EDOWARD GOUCHAを始めたと連絡がきた。その時は僕らがセレクトをしていなかったこと、又彼らもT-shirtのみだったこと、からまた機会があれば一緒に仕事しよう、お互い頑張ろうと話していた。それが昨年の9FOMEが実店舗でセレクトブランドをやろうとしたタイミングで彼らがデビューコレクションを行ったことをきっかけに取扱いさせてもらうことになった。

初めて見た時、彼の服は僕の想像とは違っていた。異彩を放つ彼のオーラとは打って変わって、もっとリアルクローズでより僕らに人に寄り添った服。着想源は、日常の中にありふれた、誰もが一度はその世界に引き込まれたもしくは、彼の生活にかかわる身近なもの。そこからデザインを行い、実際に身に纏う時は現実的で誠剛が考えるファッションは非現実的、そのねじれた関係からなるものだ。ブランドテーマである“OUTLAND RESORT“は、そのような関係性も意味していると思う。また誠剛の趣味であるスナップは、その場の何気ない一場面のようにみえる。しかし、そこからローカルな日常を愛し、物事を考えることは、日常を豊かにするためには重要であると感じる。

前回の”PLAY“から2シーズン目にあたる2022FWのタイトルは”HAKKO”。発酵とは、微生物のはたらきが人間にとって有益に作用することであり、有益でない作用の腐敗とは区別される。これを人間のはたらきに照らし合わせた時、ポジティブかネガティブになる結果は、原点が同じものでも考え方や捉え方でどっちにもなりうるということだ。この考えから、彼は今まで否定的に考えていた経験を再度見つめ直し、それに違う考えを吹き込むことで、新しいものを形成する作用をデザインにとりいれている。今回はその”HAKKO”のテーマのもと色彩も、ボヤけた曖昧なカラーを使用している。

その2022FWコレクション”HAKKO”の受注会をFOMEにて4/16()-18()3日間行うことになりました。誠剛とヤマの二人にも3日間在店していただきます。とても面白い方たちですので、たくさんお話してみてください。みんなで楽しみましょう。

倫太郎