ニューヨーカー
三年前、倫太郎と一回だけニューヨークに行ったことがある。ハッキリとした目的もなかったが、行ってみたいという理由だけで行った2週間の旅。ちょうどその時期は、ファッションウィーク中ということもあり、街はそれなりに賑やかだった。着いた初日から毎日動き回り、とにかく行きたい場所には全部行こう精神で、アドレナリンがみなぎっていた。今考えれば、ただ何もせずゆっくり過ごす日があってもよかったと思うが、1日も無駄にしたくなかったので、ギチギチに予定をつめた。結局、今行ってもそうするかも。
(Richard Serra | at Dia:Beacon)
ここの美術館マジヤバい。
特にお店を散策するのが楽しかった。どこも個性が色濃く出ていて、来た人がガッチリと心を掴まれる謎の魅力がある。扱っているものや内装が違えど、共通して存在するこの魅力はなんなのかを考えていた。それは、雑多な雰囲気の中に時々垣間見える、ニューヨーカーの美的感覚なのかもしれない。同じ空間で、色々な要素がゴチャゴチャしているのに心地良い。何だか胸焼けしないというか、独特の清涼感がある。
僕は彼女の服を初めて生で見たときに、その時の感覚がブワッと蘇ってきた。遊び心が散りばめられた、単純でありながらも複雑なデザインの中に、他にはない美的感覚が共存している。一着、一着、命を吹き込むように縫われた服は重みがあり、そして軽やかに着用者に馴染んでいく。初めて見た人でも、すんなりと受け入れやすいのは、それからくるものだろうか。
(RUN13 | Photo by noon projects)
昨年の11月に、彼女が20年ぶりに新作のコレクションを発表した。第一線から身を引き、長い年月を経て再スタートを切ったRUN Collection。それを目撃できた事は、我々にとって感動的だった。プロジェクトのターニングポイントに、FOMEが関わらせてもらっていることに、心から感謝したい。ありがとう、スーザン!
ニューヨークから到着した洋服が、明日から店頭に並んでいます。今回は、RUN13と題された11月のコレクションから着想されたアイテムや、過去のRUN Collectionをベースに作られたものまで、圧巻のラインナップです。春夏を彩ってくれる小物も充実しています。久々で我々も興奮気味なので、皆さんも興奮気味で来てください。興奮気味でいらっしゃいませって言います。
佐々木昂聖