一日フォーム

625日は予定を空けててほしい。当店でも取り扱いのあるABELIA EDOWARD GOUCHAのデザイナー、松井誠剛くんが一日だけお店で働いてくれることになった。彼からみるFOMEの服が、彼の接客を通してどんな風に変化し、お客さんの手に渡っていくのか。ゲストにがっつり、店頭スタッフとして勤めてもらう実験的な企画をやってみたい。

芸能人やアイドルが一日限定で署長や市長になりきって呼びかけをする、一日〇〇みたいなPRイベントがある。その日は、たすきを掛けてもらい一日フォームの松井誠剛として頑張ってもらおうと思っている。大丈夫です。五秒では帰りません。

兵庫生まれ古着育ちの誠剛くんは、日常生活のいたる所から拾い集めたアイデアや経験を、自身のスタイリングに上手に放り込んでくる。即興性に満ちていて、物の良し悪し関係なく自分のモノにしているところが見ていて結構クセになる。僕も彼のスタイルのファンの一人。ユーモラスで可愛い服を作っているのに、キザで際どい服も着るし、パチンカスみたいな薄汚い服装の時もあるから面白い。FOMEはお客さんとワイワイ楽しみながらスタイリングを組むことが多いが、誠剛くんからのスタイリング提案は普段のFOMEとどう違ってくるか予測がつかないから楽しみだ。

スタイリングの楽しさはその場のハプニングにあると感じる。NHKで放送中の『ヒャダ×体育のワンルームミュージック』という音楽番組の最近の放送の中で、ヒャダインが「DTMの操作中のハプニングで起きたミスが案外良くて、逆にそれを採用する」って言っていた。 DTMerあるあるなのかもしれないが、服好きにもこれと通ずる部分はありそうな気がする。誠剛くんは、自身の服装でもブランドの服作りにおいても、その思いきりを大切にしていて、尚且つビビらずに自然とやってのける。でも、なんでもアリにはしない絶対に曲げない部分もしっかり持っている。本当にアーティスト気質なんだろうな...

 

今店頭はアベリアの服が売り切れて無い状態が続いているため、最近お店知ってくれた人に少しでもアベリアを知ってもらいたいという想いがある。もう既に服を持っている人は是非それを着てお店に来てほしい。彼と同世代のデザイナー志望の人も、色んな話が聞けると思うので、気軽に遊びに来てほしい。きっと愛想のない顔で、優しく対応してくれると思います。

 

佐々木