Play / Abelia Edoward Goucha
FOME初の実店舗オープンに伴い、9月1日ローンチの新規取扱ブランド「Abelia Edoward Goucha (アベリアエドワードゴウチャ)」。今シーズンがファーストコレクションという事もありブランドの詳細やアレコレを知らない方も多いかと思います。なので少しだけ説明を。
本ブランドが掲げるコンセプトは“アウトランドリゾート”。コンクリートに敷き詰められた都会では無く、スローな時間が流れるローカルな郊外に想いを馳せる。つまりは、アウトランド=遠隔地、辺境に時間軸を置くブランドなのだ。どこの何にもカテゴライズされない、デザイナーであるマツイセイゴウ氏の思い描く理想郷こそがアウトランドリゾートなのだ。



彼自身、男性的な粋で格好良いものへの憧れはあるもの威嚇的で攻撃的なクールには重きを置かず、内面的な充実を目指している。コピーアンドペーストした鏡写しのクールではなく、十人十色の内面的な個性を引き出し、服を通じた視覚的な情報へと変換させているのだ。
やり過ぎず極端で無く偏りが少ないからこそ滲み出る、上品で小粋かつ控えめな“クール”。対象年齢も子供から大人まで幅広い年齢層に対応し、人を選ばず着る人に馴染み染まる。
やや不鮮明で曖昧。コントラストははっきりせず、フォルムはピンボケしている。だからこそ、彼の作る服は着る人の個性を柔らかく優しく心から身体へと、そして生地へと。無理なく、ありのままを映し出すのだろう。



本コレクションは題して”PLAY”。あくまでも裏テーマ的な立ち位置だそうだが、それが名付けられるエピソードが個人的にはとても共感できるものがあり、同じ周波数を感じている。というのも、この題は去年の11月、氏が在学中のアベリア初のポップアップ前日の夜に思いついたのだという。子供の頃ピクニックや遠足、家族旅行の前日の夜にワクワクして高揚感のあまり、眠れなかったあの夜にとても似た感覚だったそうだ。まるで、忘れかけていたピュアな童心が再び蘇ったかのような。それを、今では”服を作る”という行為を通してあの頃の気持ちを持つことが出来ている。このことに感動を覚え、PLAYたるテーマを設けたのだ。


初日9/1はデザイナーであるマツイセイゴウ氏にも在店して頂きます。ここには書き溢れていること、あえて省略していることもたくさんあるかと思います。是非デザイナー自身の口からお話しを聞きにきてください。彼の作る服が着たくて着たくて、ウズウズするはずです。もちろん、僕もオーダーしました。より鮮度が保たれるよう悶々と待ち焦がれて欲しいので、ここではアイテムに関する詳細は明かさないでおこうと思います。
ピクニック前日の夜の如く子供の頃のピュアな気持ちを探し求めて…。ウェルカムトゥアウトランドリゾート。
イイダリョウタ